皆さんは、家を持ち上げたり家ごと別の土地に移動させる事が出来る事をご存知ですか?
私の実家は以前この家を移動させる事を仕事にしており、私も小さい頃に手伝いに連れ出された思い出があります。
この家を移動させる事を「家引き」と呼ばれており職種としては鳶職(とび職)でした。
私が小さい頃は需要は沢山あり、従業員もそれなりに雇い忙しい時代でした。
当時は、道路が普通の土の道であったのが、順次舗装道路に変更されている時代でもありました。
道路を舗装道路にするとどうなるのかと言えば
道の高さが上がってしまうという事です。
現在の土の道の両端にコンクリートで道の土手を作り、そしてその中にクラッシャー(石)を入れてアスファルトで舗装してゆきます。
ですから、舗装すると現在ある道の高さより高くなってしまいます。
昔の家は、前の道と同じ高さに入口が作られているのが一般的なので、前の道が玄関より上がってしまう事になり大雨が降ると家の中に水が入ってくる事になります。
ですから、大雨が降っても雨水が家の中に入らないようにするために、家自体を持ち上げて高くする必要が出てきました。
このような事情により家を持ち上げて基礎を新たに作って玄関を上に上げる仕事が沢山出ていました。
また、当時は都市開発と言うことで新たな道を作る事業も沢山あり、場合により今の場所から家を立ち退かなければならない事情も発生しました。
少しの移動させれば立ち退かなくても良い場合は、その家自体を別の場所に移動させることで解決出来ました。
さらに、昔の家ですから建物を建て替える時に納屋がもう少し移動させれば思う通りに家を建て替えられると言った状況が有った場合、納屋を別の場所に移動させる事もありました。
このように家自体の引越しの需要は沢山有ったのです。
家を移動させるには、大掛かりな手間が掛かるように思われますが、実際には1階の家具などを他の場所に移動させたり、場合によっては2階に上げて1階を空っぽにすることで作業が出来ます。
さらに、工事中に2階で住まれていた方も居られましたので、そんなに大変な作業ではありません。
(電気は延長の電線を家に接続してもらい、水道も元栓からホースで延長させ仮接続として利用できますし、ガスは当時プロパンですから、多少家が動いてもプロパンボンベを移動させて繋げばOKです、トイレは外に仮設トイレを設置すれば作業中の家でも生活出来ます。)
具体的な手順は次のとおりです
実際の作業は
柱を固定した丸太の下にジャッキを入れて家を持ち上げます
家が持ち上がったら、丸太の下に樫の木で出来た靴板を入れてその下に円柱状の樫の木を入れてその下に道を作ります。
(家にベアリングを設置して通り道を作る作業です)
移動させたい場所には、ウィンチを設置しワイヤーを家の柱に付けた丸太にくくりつけて、ウィンチを巻く事で移動させて行きます。
家の下に敷いている木の道の上を樫の木で作ったベアリングで家を移動させて行くことになります。
そして予め作っておいた基礎の上まで移動させた後、基礎に合わせて家を下ろすと完成です。
最近は、使う道具も進化してきているようで、丸太は鉄骨に、樫の木の変わりに鉄で出来たベアリングなど工夫されてきているようです。
しかし、この家を移動される為に使用する道具と言うのが非常に重い道具が沢山あるのでそれを設置するのが大変なのです。
丸太は2人〜4人で担いだり
ジャッキは一人で1つか2つしか持てません
さらに、ウィンチは2人〜4人で運ばなければなりません。
そして、その他積み木で使う為に大きな木を運ばないといけません。
ですから、この家を移動させるって仕事をしている人間には重労働なのです。
最近は昔の様な需要も少なくなってきています。
でも、たまにTVなどで神社を移動させたり、結構大きな建物を移動させたりしている放送がされアナウンサーなどが驚いているニュースを見ることがあります。
今は、昔の様に大工さんに家を建ててもらうより、注文住宅の場合はハウスメーカーに依頼します。
そのように、家事情に関する環境は大きく変わってきています。
その為家も移動させるより、建て替える方が綺麗で簡単かも知れませんね。
その結果、これらの仕事も時代の流れによっては専門の職業としては無くなり、大きなハウスメーカーの一部門となってしまうかも知れませんね。
今回は、珍しい昔の我が家の実家のお仕事をご紹介致しました。
私の実家は以前この家を移動させる事を仕事にしており、私も小さい頃に手伝いに連れ出された思い出があります。
この家を移動させる事を「家引き」と呼ばれており職種としては鳶職(とび職)でした。
需要があるのか
私が小さい頃は需要は沢山あり、従業員もそれなりに雇い忙しい時代でした。
当時は、道路が普通の土の道であったのが、順次舗装道路に変更されている時代でもありました。
道路を舗装道路にするとどうなるのかと言えば
道の高さが上がってしまうという事です。
現在の土の道の両端にコンクリートで道の土手を作り、そしてその中にクラッシャー(石)を入れてアスファルトで舗装してゆきます。
ですから、舗装すると現在ある道の高さより高くなってしまいます。
昔の家は、前の道と同じ高さに入口が作られているのが一般的なので、前の道が玄関より上がってしまう事になり大雨が降ると家の中に水が入ってくる事になります。
ですから、大雨が降っても雨水が家の中に入らないようにするために、家自体を持ち上げて高くする必要が出てきました。
このような事情により家を持ち上げて基礎を新たに作って玄関を上に上げる仕事が沢山出ていました。
また、当時は都市開発と言うことで新たな道を作る事業も沢山あり、場合により今の場所から家を立ち退かなければならない事情も発生しました。
少しの移動させれば立ち退かなくても良い場合は、その家自体を別の場所に移動させることで解決出来ました。
さらに、昔の家ですから建物を建て替える時に納屋がもう少し移動させれば思う通りに家を建て替えられると言った状況が有った場合、納屋を別の場所に移動させる事もありました。
このように家自体の引越しの需要は沢山有ったのです。
ではどうやって移動させるのか
家を移動させるには、大掛かりな手間が掛かるように思われますが、実際には1階の家具などを他の場所に移動させたり、場合によっては2階に上げて1階を空っぽにすることで作業が出来ます。
さらに、工事中に2階で住まれていた方も居られましたので、そんなに大変な作業ではありません。
(電気は延長の電線を家に接続してもらい、水道も元栓からホースで延長させ仮接続として利用できますし、ガスは当時プロパンですから、多少家が動いてもプロパンボンベを移動させて繋げばOKです、トイレは外に仮設トイレを設置すれば作業中の家でも生活出来ます。)
具体的な手順は次のとおりです
- 1階の荷物を全て移動させる(別の場所や2階に移動させる)
- 基本的に床板は外しますが、どうしても外したくない場合はそのまま
- 基本的に全ての柱を丸太をワイヤーで固定します。
- 柱と柱の間隔が広くなる空間は丸太と突っ張りで補強します。
- 柱が開く可能性がある部分は筋交いで補強します。
- そしてジャッキで持ち上げて、積み木の様に木を丸太の下に入れて行きます。
- 家を上げた状態で基礎をする場合は、必要な高さまで家を上げて固定します。
- 家を移動させる場合には、家を固定している丸太にベアリングの様な物を利用して希望する場所までウィンチを巻いて移動させます。
- 作業が終了すればジャッキを使って家を下ろします。
- 基礎と柱の垂直を確認して筋かいで垂直を固定して作業は完了です。
- 後は大工さんのお仕事になります。
実際の作業は
柱を固定した丸太の下にジャッキを入れて家を持ち上げます
家が持ち上がったら、丸太の下に樫の木で出来た靴板を入れてその下に円柱状の樫の木を入れてその下に道を作ります。
(家にベアリングを設置して通り道を作る作業です)
移動させたい場所には、ウィンチを設置しワイヤーを家の柱に付けた丸太にくくりつけて、ウィンチを巻く事で移動させて行きます。
家の下に敷いている木の道の上を樫の木で作ったベアリングで家を移動させて行くことになります。
そして予め作っておいた基礎の上まで移動させた後、基礎に合わせて家を下ろすと完成です。
最近は、使う道具も進化してきているようで、丸太は鉄骨に、樫の木の変わりに鉄で出来たベアリングなど工夫されてきているようです。
しかし、この家を移動される為に使用する道具と言うのが非常に重い道具が沢山あるのでそれを設置するのが大変なのです。
丸太は2人〜4人で担いだり
ジャッキは一人で1つか2つしか持てません
さらに、ウィンチは2人〜4人で運ばなければなりません。
そして、その他積み木で使う為に大きな木を運ばないといけません。
ですから、この家を移動させるって仕事をしている人間には重労働なのです。
時代も移り変わり
最近は昔の様な需要も少なくなってきています。
でも、たまにTVなどで神社を移動させたり、結構大きな建物を移動させたりしている放送がされアナウンサーなどが驚いているニュースを見ることがあります。
今は、昔の様に大工さんに家を建ててもらうより、注文住宅の場合はハウスメーカーに依頼します。
そのように、家事情に関する環境は大きく変わってきています。
その為家も移動させるより、建て替える方が綺麗で簡単かも知れませんね。
その結果、これらの仕事も時代の流れによっては専門の職業としては無くなり、大きなハウスメーカーの一部門となってしまうかも知れませんね。
今回は、珍しい昔の我が家の実家のお仕事をご紹介致しました。