西洋カンナを使ってみよう
Lie-Nielsen ローアングル・アジャスタブルマウス・ブロックプレーン
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西洋カンナを使うと、DIYが楽しくなりますし、作品の幅が格段に広がります。
カンナで木を削ることが快感となりますので、是非体験してください。
私が初めてDIYに興味を持ったのは、西洋カンナをインターネットで見た時です。
その西洋カンナはリーニールセンツールワークス/アメリカ製のブロックプレーンと言う物です。
その姿が何とかっこコいいので、是非手に入れてみたいという衝動に駆られてしまったからです。
西洋カンナには用途によって色々なタイプがあるのですが、このブロックプレーンと言うタイプは色々な用途に使える汎用性のあるタイプです。
ある程度幅の狭い木であれば表面を削る事や、小口の処理、接合部の修正処理や切断面の処理など使用できます。
価格は結構するので、まずはこのタイプを使ってみようとインターネットで注文したのが使い始めです。
このタイプの西洋カンナは、その当時取り扱っているショップがインターネットでも1社だけでしたので価格の高い低いの比較は出来ず、販売しているだけでありがたく思って手に入れました。
西洋カンナの構造
西洋カンナを分解した物が以下の写真です。
パーツは大きく分けて6個に分解できます。
一番上が土台部分となり、その上下にパーツをつけます。
その下にあるのが刃です。
その下にあるのが刃を押さえて固定する手の握りパーツです。
一番上の右にあるのが刃口のパーツです。
その下にあるのが刃口を調整するレバーです。
その下にあるのが刃口を固定する為のネジです。
土台部分の左端にネジが付いていますが、それで刃の出方を調整します。
分解した土台の反対部分です。
土台に刃をセットした写真です。
完成した写真です。
西洋カンナには色々な種類があります。
・広い板を削る両手用ベンチプレーン
・端やコーナーなどを削るショルダープレーン
・溝を掘るルータープレーン
などあり、その種類も色々とありますので一度探してみてください。
西洋カンナの優れている点
和カンナの場合は、削る時の刃の調整方法は金槌で刃の背中やカンナの背中などを叩いて刃の出方を調整します。
でも調整方法は、素人ではカンナを覗いて刃がどれぐらい出れば丁度良いのか判断が非常に難しく、思ったように削れません。
何度も調整してやっと思うような削り方が出来るようになったと思っても、また削る場所が変わったら調整しないといけません。
削れない時は、刃が悪いのか調整が悪いのか素人では解りにくいです。
でも、西洋カンナならその調整が非常に簡単なのです。
刃の出し入れは背中のネジを回す事で出し入れ出来ますし、刃口の広さは口の近くにネジがあるのでそのネジとレバーを使って簡単に調整で出来ます。
どのぐらい刃を出したら思うように削れるのか最初は不安ですが、その時はまず刃を土台と同じ位置かほんの少し出した状態で削ってみます。
その時、削れなかったらネジを回して調整してゆきます。
これを繰り返すと自分の思った削り方が可能になります。
ほんの少しネジを回すだけで調整が出来るのですから非常に便利ですし、素人でもすぐに覚えられます。
このタイプのカンナは刃口の調整もできますので、薄く削りたい場合は刃口を狭め、厚く削りたい場合は刃口を広げると調整出来ます。
和カンナの場合は、削る時は奥から手前に引いて削るのですが、西洋カンナは手前から奥に押し出すようにして削るので正反対です。
最初は、少し戸惑いましたが慣れれば問題はありません。
ただ注意しないといけないのは、重いと言う事です。
しっかりと持たないと落としてしまう可能性があるので注意して下さい。
使用する場面
- 木材を切断した際の、切断面を平らにする
- 接合部の段差を削って平にする
- 板の表面を平らにする
- 木の面取りやカーブを作る
- 板の厚みを調整する
などがあります。
使用方法
削りたい部分や厚みにより刃の出し方と刃口の広さをネジで調整します。
最初は厚めに削ってから段々薄めに削ってゆき平らにします。
刃の調整方法はつまみで少しずつ調整してゆきます。
削り方は手前から奥に同じ力加減で押して削ります。
削られる部材は必ずキッチリと固定してから削ってください。
削り終えてカンナを置く場合は刃が床に当たらないようにカンナを横にして置いてください。
使え終わったカンナは刃を引っ込めて保管してください。
西洋カンナの手入れ
定期的に刃を砥石で磨き、何時でも良く切れるように手入れしておいてください。
また長期間使用しない場合は、錆び防止の為に刃などに薄く油を塗っておいてください。
刃の研ぎ方
刃は砥石で研ぎます。研ぎ方は粗い砥石から順に細かい砥石で研いで仕上げます。
刃の研ぐ角度は25度と言われていますが、刃を横から見ると斜めになっているのでその斜めに合わせて研ぎます。
しかし、手で固定して研ぐと安定しませんから、刃とぎガイドを使って研ぐと簡単です。
この刃とぎガイドに刃を乗せて、削る面が丁度よい角度でネジで固定します。
固定した刃とぎガイドを砥石の上で前後させて研ぎます。
刃とぎガイドの下にはローラーが付いているので軽く前後に動かすことができます。
刃が研げたかどうかは、研いでいる部分の光具合をみて正しく刃とぎガイドにセット出来ているか確認します。
また、研げたかどうかは刃を何かで試し切りする方法や、刃を親指などで刃と指がT字型になるように触って切れ味を確認する方法があります。
※この確認方法は怪我をする可能性があるので初めての方にはお勧めできません。
砥石は研ぐ前にばけつなどに漬けて十分に水を含ませてから使用するようにしてください。
また、研いでいる最中でも霧吹きなどで水を加えながら研いでください。
使い終わった砥石は表面を平らにしておいてください。
平らにしておかないと次回研ぐときに刃を水平に研ぐことが出来なくなります。
砥石を水平に保つためには、使い終わった砥石をダイヤモンド砥石で平らにする方法や耐水のサンドペーパーで平らにする方法があります。
以下の写真が刃とぎガイドです。
窪んだところに刃をセットして右のツマミで固定して使います。
作品の一例はこちらからどうぞ